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はしがきより
 本著は、農村総合整備事業制度について、その発足の歴史的背景、計画と実施の手法、及びその評価を分析、検証するとともに、今後の課題と展望を考慮案したものである。昭和40年代後半(1970年代)に農村総合整備事業制度が発足してから、半世紀が過ぎた。

 農村総合準備事業は、農業農村整備事業(土地改良事業)の中で今や大きな比重を占めるまでになっている。また、農村政策は、農政の展開の中で食料政策、農業政策と並んで大きな柱となっており、農村総合整備事業制度は、この農村政策の中心的な役割を担うまでになっている。
 このような農村総合整備事業制度について、半世紀経った今日、一度総括的にとりまとめを行うとともに、その評価と展望を考慮してみる必要があるのではないかと考えた。
 これは、著者が、農村総合整備事業制度の発足時に農林水産省農地局計画部技術課(現構造改善局計画部計画課)においてその調査計画担当係をして以来、農林水産大臣官房企画室、国土庁地方振興局農村整備課、構造改善局建設郎設計課及び整備課、計画部幕ニ計画課、関東・九州・北陸農政局、青森県、渠_村環境整備センター等において農村総合整備事業制度に直接・間接的に関係してきたことによっている。

 このように、著者は主に農林水産省において技術行政官として歩んできたこともあり、技術行政の立場から農村総合整備事業制度を総括してみたいと思ったことによる。また、この間、著者の個人ないし共著という形で、農村整備に関する論文・報文を関係する学会誌や機関誌等に発表してきたが、それらを体系的に整理するとともに、新たな農村整備の課題と展望を明らかにしたいと思ったことによる。
 このようなに対し、農村整備に関する政策、制度、技術は幅広くかつ奥深いこともあり、疎漏や分析不足の所が多くあることを恐れるものである。それらは、すべて著者の力不足によるものである。

 本著は、東京大学の博士論文「農村総合整備事業制度の計画・実施の手法とその評価」としてとりまとめたものである。本著を出版するに当り、広く関係者の方々に読んでいただき、かっご批判もいただきたいと考え、書名を「農村整備工学一農村総合整備事業の評価と展望−」に変えさせていただいた。

 21世紀を間近かに迎え、農村整備に関する政策やそれに関係する技術の研究・開発は益々重要要になってきている。それも、これからは、多くの専門分野の人達、及び研究者、行政者、地域住民、農業者等の各層の人達の協力や連携が何よりも必要である。本著が、これからの農村整備に関する研究や農村地域の具体的な発展・活性化に少しでも役立てば望外の喜びである。

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