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ホームレス句集 大石太
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ホームレス羽抜鳥
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ホームレス俳人による第6句集。平成16年4月1日発行。句集には342句を収録。 その他ホームレス仲間のスナップ写真32枚に俳句が添えられている。 又、終りの方には、これまで出版した前句集5冊の代表句50句を紹介。 定価¥1,300(税込み)。
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元専務 公園デビューの晴姿 歩けない仲間もいるよ霜の花 彼のためトイレ借り切る洗濯日 片靴が汝を叫んでる隅田川 轢くなかれ 足の生えてる粗大ゴミ 顔も剃る青空床屋の天高し 決められし干場たなびく万国旗 炊き出しを待つ間に乾け洗濯物 主人の留守 リヤカー守る捨猫よ 身投げする おらのためにある浮輪かな (以上は写真俳句より)
顔に雨わが浄土の目覚めかな テント村男娼がきて落ち着かず スゴロクの振出しは背広姿 歩道橋 織姫星に手がとどく パンツが乾くまで川につかる 終身刑でダンボール小屋に住む 元旦 ふぐりぶらぶら 夢もぶらぶら フンドシに鳴く鈴虫をいかにせん 狂い抱く亡母の墓は草の中 お彼岸の蝿が合掌 無縁墓
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(株)創造書房 発行 〒102-0093 東京都千代田区平河町2−6−3都道府県会館 電 話03-3263-0087
FAX03-3264-8401 |
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ホームレス夢泣
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大石太 第5句集
好評発売中
発行 創造書房 著者 大石太 発行日 平成13年3月 定価 本体 1,239円+税 |
ISBN4-88159-714-0 C0092 \1234E |
あとがきより
Gさんは会長の腰巾着で総務部長まで出世した。金と時間の余った会長は放蕩三昧だった。G部長の仕事は会長のおともである。ウイークデーは大井、船橋、浦和、川崎の地方競馬だった。土日は中央競馬に毎日のように顔を出す。ある筋からの情報が入り、1レース五〇〇万円賭けた時は心臓が縮む思いだった。さすがのGさんも震えた。
勝っては銀座の倶楽部で豪遊、負けては赤坂でハシゴした。この桃源郷もバブルがはじけるまでのおとぎ話。強引な取り立てに追われた会長はノイローゼになり、あっけなく首を吊った。会長の競馬狂が伝染したGさんがマイホームを失い、妻子からも見捨てられるのは時間の問題だった。
ホームレスになっても、元部長の傲慢さが鼻につく。昔の自慢話、命令調が仲間の反発を買い、寝ているところをおそわれリンチを受けた。現在病院の天井を仰ぎながら昔の栄華の夢を追っている。
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ホームレス牢人 |

大石 太 句集
第四集
定価 本体 1,239円+税
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めったに降らない東京の雪に、両足をもがれて案山子になった冬童話である。
Aさんは酒好きである。例のごとく軒下に寝込んでしまった。運悪く降ってきた雪が下半身を埋めた。Aさんはそれでも朝方まで気が付かなかった。凍傷にかかっているのは知っていたが、金が無いのでそのままほっておいた。足が黒ずんできて無感覚状態になった。医者に見せた時は、命が危ないと、即両足切断。リハビリと歩行訓練の結果、なんとか歩けるようになった。Aさんの身体障害者手帳には次のように記されている。「凍傷による両下腿1/2以上欠損(2級)」。 五体満足でアオカン生活がいいか、福祉手当入って、今のアパート生活の方がいいか聞こうと思ったが、ムゴくて聞きそびれてしまった。 |
ISBN4-88159-712-4 C0092 \1239E |
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ホームレス天叫
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大石 太 句集 第三集 |
ISBN4-88159-708-6
C0092 \1239E |
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おらホームレス |
世間を震撼させた思い出の
第一集

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市井人は、ホームレスよりホームレス的なのに、それに気づいていない。 あなたのまわりには、物欲、金銭欲、エゴ、見栄、名誉心、嫉妬、不信、無為、無力、怠惰、ストレス、猜疑、憎悪、怨恨、残虐、虚無絶望が膿のごとく蔓延しているではないか。
失業、貧困、病気、怪我、高齢、家庭崩壊、ギャンブル借金、アルコール中毒、サラ金地獄、孤立、……がホームレスをどんどんむしばんでゆく。
働く先がありながら、高いアパート住まいを避けている者 年金を貰いながら、家族のしがらみから家出してきた者 出稼ぎにきて、酒とギャンブルに身を崩し帰りそびれた者 失禁し、ぼろぼろの体に虱が這い、仮死状態の仙人
等々、ホームレスもピンからキリまで、それぞれ星の数ほどの人生ドラマがある。
−おらを興味本位で探しに来ないで欲しい−
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