元専務 公園デビューの晴姿
歩けない仲間もいるよ霜の花
彼のためトイレ借り切る洗濯日
片靴が汝を叫んでる隅田川
轢くなかれ 足の生えてる粗大ゴミ
顔も剃る青空床屋の天高し
決められし干場たなびく万国旗
炊き出しを待つ間に乾け洗濯物
主人の留守 リヤカー守る捨猫よ
身投げする おらのためにある浮輪かな
(以上は写真俳句より)
顔に雨わが浄土の目覚めかな
テント村男娼がきて落ち着かず
スゴロクの振出しは背広姿
歩道橋 織姫星に手がとどく
パンツが乾くまで川につかる
終身刑でダンボール小屋に住む
元旦 ふぐりぶらぶら 夢もぶらぶら
フンドシに鳴く鈴虫をいかにせん
狂い抱く亡母の墓は草の中
お彼岸の蝿が合掌 無縁墓